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緊急地震速報の処理手法

2008年10月

緊急地震速報の処理は、震源に近い地震計に地震動の初動(P波)が到達した時点から、その1観測点のデータを用いて震源の推定を行います。1点の観測点による地震諸元(震源位置や規模など)の推定方法については、気象庁と(財)鉄道総合技術研究所が新たな方法を開発し、その方法が緊急地震速報の処理手法として採用されています。

この方法は、地震波の初動の形状(振幅増加率)が震央距離に依存するという特徴を利用しています。ここでは、初動の形状を自動的に定量化するため、下図に示すような関数を初動の包絡線(エンベロープといいます)に当てはめて、係数B(初動部の振幅増加率に相当します)を求めます。この係数Bが大きいほど(初動が急激に大きくなるほど)、震源が近い傾向があります。よって、この係数Bと実際の震央距離(Δ)との関係を事前に定式化しておくと、地震の際に係数Bを算出することで、震央距離を推定することができます。この方法を係数Bにちなんで、B-Δ法(ビーデルタ法)と呼んでいます。

観測点から見た震央の方位は、P波が縦波(震動の方向と伝播する方向が同一な波)である特徴を利用すると、P波の3成分の変位を合成した震動の方向から伝達してきた方位、すなわち震央の方位を求めることができます。こうして、震央の方向と距離がわかりますので、震央の位置を特定することができます。

また、地震の規模(マグニチュード)は、推定した震央距離と初動部の最大振幅から推定することができます。

なお、複数の観測点のデータを用いることで、震源の位置や規模の推定精度を向上できますが、この方法については気象庁が公表している技術資料を参照してください。

参考: 気象庁ホームページ

緊急地震速報のために使用されている地震観測点(気象庁資料)

図 P波初動部の形状の定量化と地震諸元推定方法

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